予防医学のお話 No.39
紫外線のリスクと対策

掲載日:2018年5月1日

紫外線のリスクと対策

やわらかな陽射しに、暑くもなく寒くもない快適な気温…。爽やかな季節がやってきました。これからの時季は行楽のシーズンでもあり、戸外に出かけて太陽の光を浴びることも増えるかと思います。

太陽の光には、目に見える光(可視光線)と目に見えない赤外線、紫外線があります。紫外線はその中で最も波長の短い光で、殺菌消毒、ビタミンDの生合成、血行や新陳代謝の促進、皮膚抵抗力の亢進(こうしん)など有用な作用がありますが、浴び過ぎると皮膚や人体に悪影響を及ぼします。波長によりUV-A、UV-B、UV-Cの3種類に分けられ、UV-Cは空気中の酸素分子とオゾン層で完全に遮られてしまうため、地表に届くのはUV-AとUV-Bです。UV-Aは地表に届く紫外線の約9割を占め、肌に蓄積的なダメージを与えます。肌の奥の真皮にまで侵入し、肌のハリや弾力を失わせて光老化を引き起こす原因となります。また、メラニン色素を酸化させ、肌を黒くさせる作用もあります。UV-Bは地表に届く紫外線の約1割と量は少ないのですが、肌への作用が強いため、短時間でも日焼けにより肌が赤くなる炎症反応(サンバーン)や、数日後に肌が黒くなる色素沈着反応(サンタン)を引き起こす作用があります。波長が短いUV-Bは、炎症やしみの原因となるだけでなく、肌表面の表皮細胞やDNAを傷つける、皮膚がんのリスクを増大させるなど、生体への影響が強いことが知られています。

紫外線のリスクと対策

近年はオゾン層破壊により地上に到達する紫外線が増加していることから、気象庁は天気予報で報じる紫外線情報の他にもUVインデックス(UV指数)を用いた紫外線情報を提供しています。UV指数は世界保健機関(WHO)によって提唱されている世界共通の指標で、紫外線が人体に影響を及ぼす影響の度合いを紫外線の強さから5段階に分類しています。

紫外線TABLE

紫外線は年間を通じて放出されており、晴れた日ばかりでなく曇りの日も、また室内に居ても窓ガラスを通して降り注いでいます。紫外線の量は、「紫外線の強さ×紫外線を浴びた時間」で表すことができます。一般に紫外線量は紫外線が強くなる7月から8月にかけて年間で最も多くなりますが、弱い紫外線でも長時間浴びた場合の紫外線量は、強い紫外線を短時間浴びた場合と同じになることもありますので、紫外線の強い夏の時季だけでなく春や秋も紫外線対策は必要です。また標高が100m高くなるごとに紫外線が約1%強くなり、標高が高い場所は平地より紫外線量が多くなると言われています。高原や登山など標高の高いところに出かける際は、紫外線対策に特に気をつけましょう。

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